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「新・サッカー戦術論(戸塚啓)」を読みました!!

新・サッカー戦術論新・サッカー戦術論
(2010/05)
戸塚 啓

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さすがはW杯直前って事で、関西に行く用事があったので東京駅の本屋に行ったらサッカー本が店頭にズラリと並んでいました。
その中で気になったのを2冊購入。
その1冊が戸塚啓さんが著書の

新・サッカー戦術論

ハードカバーで1260円ほどしたので、ちょっと躊躇したのですが中身をパラパラめくったら面白そうだったので購入です。
ちなみにと戸塚啓さんの略歴はアマゾンより抜粋。

戸塚 啓
1968年神奈川県生まれ。法政大学法学部卒業後、サッカー専門誌編集者を経て、1998年よりフリーランスのスポーツライターとなる。 現在、多くのスポーツ誌で活躍するほか、サッカー日本代表の試合については、2000年より連続取材中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されて いたものです)

引用元:アマゾン



戸塚啓コラム(こちらでコラムをやっていらっしゃいます)
http://news.livedoor.com/category/vender/totsuka/

内容は「新戦術論」って言うぐらいなので戦術・システムについての本です。
ただ、これはW杯前だからといって、日本代表がどうこうという話はなく、強豪クラブチームや強豪国のシステムを紹介し、その特徴について解説してくれています。
出てくるクラブチームと国は以下です。

【クラブチーム】
バルセロナ
アーセナル
チェルシー
ACミラン
バレンシア
リバプール
レアルマドリード
ユベントス
インテル・ミラノ
ブレーメン
シャルケ04
バイエルン・ミュンヘン
レバークーゼン
セビージャ
アトレティコマドリード
マンチェスターユナイデット

【代表チーム】
イタリア代表
スペイン代表
オランダ代表
フランス代表
ドイツ代表
イングランド代表


すごくないですか?
有名なチームはほとんどですし、ヨーロッパの国はかなり網羅しています。

さらに4名の有識者にも取材をし、コメントをもらっていてそれを組み合わせながら進みます。

鈴木良平さん(サッカー指導者、解説者)
川勝良一さん(サッカー指導者、サッカー解説者)
都並敏史さん(サッカー指導者)
高木琢也さん(ロアッソ熊本監督)


ちょっときつめなコメントをすると、あまりこの4名に監督としての実績は少なく、都並さんにいたってはクビになりまくっているので説得力があるのか?って気はしますが、選手としての実績は間違いないですし、それは置いておきましょう。

感想から言いますと、これはかなり読み応えのある本でして、すごくおもしろかったです。
「こうするべきだ!!」みたいな机上の空論が押し出されすぎても、押し売りみたいな気がしてあまり納得できないことも多いです。
しかし、この本は実際に使われている戦術を解説していますので説得力があります。

それに加えて膨大な著者の情報量によって、システム+個人の特徴が加わります。
以前にこちらの本を読んだのですが、この本よりかなり先を行っていると感じました。

4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)4‐2‐3‐1―サッカーを戦術から理解する (光文社新書)
(2008/03)
杉山 茂樹

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「4-2-3-1 サッカーを戦術から理解する」は、システムの移り変わりなどを中心に書かれていて、昔はこんなシステムがトレンドだったが今はこんなシステムが最先端であるといった本です。
これはこれでおもしろいのですが、この本を読んだ後に「新・サッカー戦術論」を読むとさらに深みが増します。

それは、「4-2-3-1 サッカーを戦術から理解する」の題名にもなっている、日本代表もよく使う「4-2-3-1」というシステムは最近人気のフォーメーションです。
これは現代サッカーにおけるサイド攻撃を重視した形で、右MF、右ボランチ、右サイドバックの3人で数的優位を作りながらサイドで主導権を握るためのシステムです。
さらに三角形を常に作れるためにパスコースが常に複数作れるのも強み。

とここまでが、「4-2-3-1 サッカーを戦術から理解する」の内容。

そこから「新・サッカー戦術論」はさらに掘り下げます。
「4-2-3-1」を使っているクラブチームや国は多いですが、だからといってすべてのチームが同じような戦術ではありません。
当たり前っちゃ当たり前なのですが。

「2」の部分の組み合わせ次第によっては攻撃的にも守備的にもなりますし、右MFにメッシやロッベンのようなドリブルして得点まで持っていける選手を使うのと、中村俊輔のようなパサーを使うのではまったくゴールまでの道筋は違ってきます。
そういう細かい部分をクラブチームや代表チームの1つ1つで特徴を細かく分析していて、攻撃に至る過程や、守備の考え方、強み、弱みなどがよくわかります。
ヨーロッパのチームや国が多いので、ヨーロッパサッカーが好きな人にはたまらない本だと思います。

ただ難点は初心者向きではないこと。
たまにBSでやっているプレミアリーグを見たり、日本戦を見たり、深夜にテレビでやっているチャンピオンズリーグを見たりするぐらいでは、この本に出てくる選手の50%ぐらいしかわかりません。
ポンポンいろんな選手の名前が出てきて、いちいち細かく特徴まで解説はしていないので、ある程度名前を見ただけで顔やプレースタイルがわかってないと辛い。
ヨーロッパの強豪クラブチームの名前が怪しいレベルでは、まったくついていけずチンプンカンプンだと思います。

それにあまり図で書かれていないので、動きの流れを把握するのは難しい。
戸塚さんの頭の中では選手がどう動いているかがはっきり見えているのでしょうけど、文章で書かれているのでもしそれを完璧に読み取りたいのであれば、自分でフォーメーションを書いて
「こいつがこっちに動いたから、こいつがこっちに来て・・・」なんて感じで絵で再現しなければ不可能です。

もちろんサッカーおたくで、例えばこれは例ですが
「プレミアリーグ第5戦のアーセナルVSチェルシーの2点目のシーン。バラックがドログバとのワンツーで抜け出してシュートした場面の動き」
とか書いてあったとして、その時の映像が頭に浮かぶぐらいなら問題なしです。(記憶良すぎですけど)

正直僕はそんなレベルにないので、出来るだけ図で書いてある基本システムをイメージしてから、各選手の動きを追っかけてみたりはしましたが、イメージできないのはサラッと流しました。
でも、あまりそこまで突き詰めて見なくてもおもしろかったですよ。

ヨーロッパサッカーやW杯などを見る上で、1度読んでみると「10倍楽しくみれる本」です。

この本で1番心に残ったのは、現ボカ・ジュニオルスGMであるアルゼンチンのビアンチのこの言葉。

システムでサッカーをするわけではないが、なぜそのシステムを採用するのかについては明確な必然性があるべきだと思う。そこは監督の腕の見せどころというか、この仕事の楽しいところじゃなかな。
相手が世界的なビッククラブで、きわめてモダンな戦術を採用しているチームだとしても、どこかに付け入るスキはあるものだ。
サイドのミッドフィルダーがほんの少し守備を怠る。それだけで穴が空くことだってあるから。


引用元:新・サッカー戦術論 152ページ

システムはとても重要な要素だと思います。
ビアンチが言うように「なぜそのシステムを使っているのか」を明確に出来なければいけないわけです。
逆を言えば、監督は自分のチームの個人の特徴を考えて、最適なシステムを構築しなければいけないわけですね。

スタートのシステムは同じでも、メンバーによっては戦い方も変わるし、試合状況によっては柔軟にシステムを変えていかなければいけません。
相手によってもそうだし、予選リーグと決勝リーグなどの状況によっても変わります。

そんな事は百も承知だと言われそうですが、岡田監督はどんな相手、状況でもメンバーを固定し、同じシステムで戦ってきました。
相手があるものなので、ベストメンバーという形はあってもいいですが、オランダと戦う時とバーレーンと戦う時が同じ戦い方でいいとは思えません。

なので、先日のイングランド戦はとても素晴らしかったと思います。
ビアンチが言っているように「なぜこのシステムを使っているのか」が傍目から見てもわかる戦略でした。

世界のトレンドである「4-2-3-1」にこだわりすぎて、選手の入れ替えのみだけだった日本代表ですが、数々の敗戦から目の前の敵に勝つために全力で考え抜いた跡が感じられましたね。
まー考えてなかったわけではもちろんないでしょうけど。

と、まーついつい僕は日本代表に絡ませて考えたくなっちゃうのですが、この本自体は日本の話はまったく出てこないので、そういうのは期待しない方がいいです。
世界の強豪の戦術を勉強し、それをフィードバックさせることで初めて意味があると思います。

サッカーレベル中級者以上向けの本としてご紹介しますね。

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